保育士になるために資格を取ったからといって、すべての人が保育士になるわけではありません。保育士になったあと、別の働き方に興味が出てくることもあるでしょう。
この記事では、保育士資格を活かした仕事がしたい人におすすめの仕事を紹介します。保育系から福祉系、一般企業の仕事まで15種類の働き方をまとめましたので、就職先・転職先探しの参考にしてください!
【保育系】保育士資格を活かせる職場・仕事7選
保育士以外にも子どもと関われる仕事はたくさんあります。まずは保育士資格を活かして働ける、保育系の仕事を7つ紹介します。
1.幼稚園
幼稚園は3歳~小学校入学前までの子どもを預かり、教育する施設です。保育園は子育て支援施設ですが、幼稚園は教育施設。いわば学校です。
保育園と違い“教育”を目的とした接し方が必要になる点は覚えておきましょう。
幼稚園で働くためには『幼稚園教諭免許』が必要ですが、以下の条件に当てはまる人は『幼保特例制度』の利用により、比較的容易に幼稚園教諭免許を取得できます。
・保育士資格を持っている
・3年かつ4,320時間以上の実務経験がある
乳児より少し大きな子どもたちと接したい、子どもの教育に携わりたいという人には幼稚園のほうが向いているかもしれません。
2.認定こども園
認定こども園とは、保育園と幼稚園の両方の機能を合わせ持った施設のこと。親が働いている、家族の介護などで保育が困難であるといった条件なしで、0歳~小学校入学前までの子どもを預けることができます。
働くには保育士資格と幼稚園教諭免許の両方が必要になります。すでに保育士資格を持っているなら、前述した幼保特例制度を利用しながら認定こども園での勤務を目指すのも選択肢のひとつでしょう。
3.認可外保育施設
認可外保育園とは「国の基準には満たないけれど、自治体が独自に定める基準をクリアした上で運営されている保育施設」です。
園ごとの特色が強く、独自のカリキュラムを設定していたり、英語や運動などなにかの分野に特化した教育に取り組んでいたりと、個性豊かな運用をしている園が多い傾向にあります。
認可外保育園で働くのに保育士資格は必須ではありません。
しかし、保育士の資格を持っている人は現場で重宝されるため、就職や転職活動の際に有利になる可能性が高いです。
4.病児保育施設
病児保育施設とは、病気により普段通っている保育施設や小学校に通えない子どもを一時的に預かる施設のこと。対象年齢は自治体により異なり「0歳~小学校3年生まで可」「小学校6年生までOK」などさまざまです。
病児保育士になるには、保育士資格か看護師資格のいずれかが必要になります。病気の子どもたちに寄り添いたい人におすすめの働き方だといえるでしょう。
5.院内保育所
院内保育所とは、病院に勤務するスタッフの子どもを預かる保育施設です。特徴は、開所時間が24時間であること。
夜勤の医師や看護師の子どもを預かる場合は、夕方~夜ごろに預かり、寝かしつけ、翌朝に見送るという働き方になる場合があります。
院内という限られた施設内で子どもを預かるため、一般的な保育園と比べるとお世話する子どもの人数は少なめであるのが特徴です。
6.保育ママ
保育が必要な子どもを自宅でお世話するのが保育ママです。「育児経験がある」「保育士や看護師、助産師などの資格を持っている」などの条件をクリアし、自治体の認可を受けることで、0~2歳までの子どもを3人までお世話できます。
住み慣れた自宅で子どもの面倒を見られる、通勤の必要がないという点がメリットになる働き方です。また、預かる子どもの人数によって自治体の補助金やサポートを受けられます。
7.ベビーシッター
保育を必要とする依頼者の家に訪問し、子どものお世話をする仕事です。家庭に入って子どもと関わる働き方になるため、1~2人の子どもとしっかり向き合いたい人、ひとりで仕事がしたい人に向いています。
保育士資格がなくてもできる仕事ですが、資格があるほうが信頼して保育を任せてもらえるでしょう。
【福祉系】保育士資格を活かせる職場・仕事5選
続いては保育士資格を活かせる福祉系の仕事を5つ紹介します。
1.学童保育施設
小学校の授業後や夏休み・冬休みなどの長期休暇の日中、家に親がいない家庭の小学生を預かる施設です。放課後の教室や学校の敷地内にある児童館などで、子どもたちを見守る仕事をします。
正職員として働くには放課後児童支援員の資格が必要です。この資格は受講要件を満たした上で研修を受けることにより取得できるもの。
要件には「保育士資格の保持」も含まれるため、興味があれば受けてみてはいかがですか?
2.児童発達支援施設
障がいのある児童の日常生活のサポートや、他者との集団生活を行えるようになるための訓練を行う施設です。
子どもの成長を感じる瞬間や、できなかったことができるようになる場面に立ち会えたときに、大きなやりがいを感じられます。
働く上で必須の資格はありませんが、保育士資格を持っていると採用時に有利になる可能性が高いです。
3.放課後デイサービス
放課後デイサービスは、小学校の放課後や長期休暇に障がいのある小中高生を預かる施設です。
2012年のサービススタート時の利用者は全国で5万人強でしたが、2022年には30万人以上と急増しています。保育士資格を持っていると採用時に優遇されるため、活用しない手はないでしょう。
4.乳児院
さまざまな事情により、家庭で育てられない0歳児の保育を行う施設です。「10~20人の乳児がいる乳児院には、保育士をひとり以上配置しなければならない」という義務があるため、ここでも保育士資格を役立てられます。
子どもが好きで、特に0歳の赤ちゃんのお世話に携わりたい人には乳児院が向いている職場でしょう。
5.児童養護施設
児童養護施設では、保護者がいない子どもや虐待などにより家庭から保護された子どもに落ち着いた生活環境を提供し、自立を目指したサポートを行っています。
対象年齢は原則1~18歳まで。
子どもが自立できるよう支援してあげたい、心に傷を負った子どもに寄り添いたいという人はやりがいをもって働けそうです。
【企業系】保育士資格を活かせる職場・仕事3選
最後に企業で保育士の資格を活かす方法を紹介します。直接子どものお世話をする仕事ではないですが、保育士としての知識や経験がきっと役に立つはずですよ。
1.幼児向け習い事教室
保育士は子どもに分かりやすい言葉を選んで話したり、説明したりすることを求められます。そのスキルを活かして習い事教室の講師になるのも選択肢のひとつです。
保育士資格を取得するための実技試験には音楽・造形・言語の3つのカテゴリがあります。
音楽の試験ではピアノやアコーディオン、ギターの楽器で子ども向けの楽器を演奏することになるため、これらの楽器を教える教室であればスキルを活かせるでしょう。
造形の試験に合格した人で絵に自信があるなら、絵画教室の講師になるのもおすすめです。
2.子ども服販売員
保育士は仕事を通じて子どもの成長を身近に感じられるため、年齢から身長や体格の目安をパッと想像できる人も多いはず。このスキルは、お店で子ども服を探す親に最適な提案をするときに役立ちます。
また、保護者とのやり取りで培ったコミュニケーション能力を活かし、販売員としてお客さまが喜ぶ接客ができるのも強みだといえるでしょう。
3.フォトスタジオ
フォトスタジオや写真館で子どもに笑顔になってほしいとき、子どもをあやすのが上手い保育士は非常に重宝されます。
ぐずる子どもの機嫌を取るのは親でも苦労するもの。そんなとき、保育士資格を持つスタッフがあの手この手を使って子どもを泣き止ませ、さらに笑わせることができれば、感謝されること間違いなしです!
わおわお保育園ってどんな施設?
保育事業・学童事業を展開する大川グループでは、認可保育園『わおわお保育園』を運営しています。
「ほめて・みとめて・はげまして」の保育理念のもと目指しているのは、その子らしく成長してもらうこと。子どもたちの得意を見つけ、可能性を育てるのが私たちの役目です。
ひとりひとりと向き合うには、保育士たちも子どもと一緒に楽しむことが大切。
子どもの成長を喜び、やりがいを持って働ける職場づくりを心がけながら「お子さんにも保護者にも、職員にも選ばれる保育園」を目指しています。
まとめ
保育士資格の使い道は、保育士以外にもたくさんあります。最初から保育士以外の道を目指すもよし、保育士を経験したあとのキャリアアップとして別の道を選ぶもよし、どう働くかは個人の自由です。
保育士以外の仕事を探している人は、今回挙げた15の働き方も参考にしてみてはいかがでしょうか。
保育士として培った知識やスキルや資格を活かしながら、自分にとっての天職を探してみてくださいね。
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